クリニック概要


当院は初代である祖父・政順が昭和5年に南三陸町歌津伊里前で開業した鎌田医院が前身です。政順の息子である二代目の父・政一が平成6年に急逝したため、私は三代目として鎌田医院を継承しました。しかし平成23年3月11日の東日本大震災の大津波により流出しました。その3日後の3月15日より歌津枡沢にあった旧接骨院を借り歌津八番クリニックとして再開いたしました。

 

当院の特徴は、ほぼ完全予約制で看板や広告を一切出さないことです。通常の診療所や民間病院は当然のように看板を上げたり広告を出しますが、当院は商人ビジネスではないので一切宣伝はしないことを信条にしています。おかげさまで看板や広告を出さなくても地域の信頼を得て、毎日フル稼働の状態です。本来なら完全予約制を徹底したいのですが、小児や感冒などの急患を受けることもあり、現在は「ほぼ」完全予約制の状態です。

 

なお当院は内科をメインにしていますが小児科も可能な限り診察するよう努めています。当院は学校医や乳幼児健診も担当していることもありますが、なにより将来、当地域で若い夫婦が安心して子育てができるよう小児科診療が重要だと考えております。また同様に、今後の高齢化社会を考え訪問診療にも力を入れており、現在は30名前後の患者に対して訪問診療を行っています。

 

そのほか当院の特徴として定時開始・定時終了を目標に掲げ、無理に診察時間を延長しないように努力しており、「そんなに働かんでいいやん、そんなに儲けんでいいやん、食うに困ってへんのやから」の精神で仕事をしています。それは被災者の皆さんにも「頑張れではなく、頑張らんでいい」という養生精神で接しているのと同様です。そのような理由で定時終了はスタッフ一丸となって死守しています。当院は従業員やアルバイト社員に至るまで優しくありたいと願うからです。

 

基本的に医者はサービス業だと確信しています。ただ決して商人ビジネスであってはならないと考えています。己の技術を最大限生かし、その上でサービスに見合った収入が得られれば、それで幸せではないかと思います。ゆえに医療機関においては必要以上の儲けは不要です。当院で患者とは、患者さんであって患者様ではないと考え、常にフレンドリーな関係を構築できるように努めてまいります。

 

 

平成27年2月吉日 

鎌田 眞人

「歌津八番クリニック」の由来


昭和30年代、旧歌津町に電話回線が引かれた時、町で8番目の電話回線だったことから「歌津8番」の電話番号をいただきました。平成17年に旧歌津町は旧志津川町と合併して南三陸町になりましたが、鎌田医院の鎌田という名前が消えても歌津という名前を残したいとの願いを込め今回、その番号に由来する「歌津八番」を診療所の名前に決めました。